用語名 | マツカレハ |
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よみがな | まつかれは |
定義 | 《学名》Dendrolimus spectabilis
《分類》チョウ目カレハガ科 《説明》マツに寄生する食葉性昆虫類。その幼虫マツケムシによって針葉が食害されると、生育が著しく阻害されるばかりか、しばしば枯死させられる。海岸松林が安定した壮齢ー老齢になると、一般に食葉性の昆虫類による被害は少なくなる。 マツカレハは通常年一回発生するが、茨城県鹿島地方、高知、福岡などの海岸林では常時年2回発生する個体群が見られるほか、内陸部では年によって2回発生する地域もある。 成虫は7月中旬~8月中旬ごろまでに羽化し、約1か月間の発声期間を持つ。雌は羽化後まもなく交尾し、多くはマツの針葉に200~300の卵塊を産み付ける。孵化直後の幼虫は、集団で針葉を噛食するため被害針葉は赤褐色に変色する。 マツカレハの被害の歴史は古く、徳川時代(安政3年)に大発生したことが記録に残っている。その後も明治・大正・昭和とマツの造林が拡大されるに伴って頻繁に大発生が繰り返されてきた。そしてその後の戦後の昭和20~30年代には我が国の代表的な森林害虫の一種として昭和27(1952)年に森林病害虫等防除法の法定害虫に指定された。 |
参考文献 | [1]村井宏,石川政幸,遠藤治郎,只木良也(1992):日本の海岸林 : 多面的な環境機能とその活用,ソフトサイエンス社,PP.468-469
[2]森林総合研究所:森林生物 マツカレハ,http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/seibut/bcg/bcg00211.html,2016.11.25閲覧 |