日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest

用語名 植栽工
よみがな しょくさいこう
定義 植栽工は、主に、植 栽による植物の導入方法であるが植栽のほか、さし木、埋幹、埋枝、埋根、株植え、根播き、枝播きなどの繁殖方法も含めて考る。植栽工は、一般に、目的とする植物社会の形態(相観)を早期に備える工法として適している。 樹木植栽、さし木、植え、根播き、張付けの4つに分類される。砂防林の植栽工では、砂地がいろいろな工法によって一時的に安定したら、半永久的に安定させるために砂地への造林が必要となる。砂浜最前線は砂の移動が激しく、飛砂と潮風をまともに受けるため汀線近くはこの環境に耐える砂草を導入し、砂丘後背地よりクロマツ林を導入することが基本になる。砂丘への造林は海岸林防災林造成、海岸砂防造林、砂丘造林等の言葉が使用される。前砂丘が完成し、静砂工(静砂立工、砂草植栽工)が一定の効果を上げた後、造林が実行される。砂地を早期に被覆し、飛砂の害、乾燥の害を最小限に抑えるため、主林木としてクロマツ苗を密植する。植栽時期は春植え、秋植えがあるが春植えの方が活着力がよく、一般的である。植栽砂地には水分、養分保持のため敷藁、埋藁を行い、他に固形肥料を施肥、追肥として用いる。
参考文献 [1]山寺喜成(1976):植生工の分類と適用に関する考察,緑化工技術,4(2),PP.28-38
[2]河合英二(2009):特集「海岸環境と緑化工」,日本緑化工学会誌Vol.35(2009)No.4,PP.513-517