日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest

用語名 砂丘農地
よみがな さきゅうのうち
定義 地帯農業振興臨時措置法が制定され、潮風や飛砂による災害防止のための造林事業や農業生産の基礎条件の整備事業を速やかに実施することによって海岸林の保全と農業生産力の向上を図り、農業経営の安定と農民生活の改善を目的としている。
海岸砂地の上に成る農業地。砂耕地の土地利用区分は普通畑が55%、田が35%、樹園地が10%であって、畑が主体となっている。内陸の農家と比較すると、その特徴は、兼業農家が多いことと経営規模が小さい農家が多いことであり、その中でも農業を従とする第二種兼業農家が過半数以上に上り、砂耕地のみでは生計が成り立たないことが多い。
また、海岸砂地地帯の農業経営はきわめて不安定であり、最も大きな原因は干害、その他の災害である。農業の様態は地域によって一様ではないが、一般に寒冷地よりも温暖地の方が進んでおり、経営は集約化されている。
しかし、砂丘地農業についての試験研究はわずかに地方的に行われているにすぎず、基本研究すらほとんど成されていない。したがって技術的指導も遅れている。
参考文献 村井宏,石川政幸,遠藤治郎,只木良也(1992):日本の海岸林 : 多面的な環境機能とその活用,ソフトサイエンス社,PP.20-22