日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest

用語名 外来種
よみがな がいらいしゅ
定義 外来種とは本来いなかった生物が人の活動によって他の地域から侵入し、野生化しているものである。明治以降に船を介在して欧米など国外から持ち込まれた帰化種が典型的な外来種である。しかし、弥生時代に農耕文化と共に渡米した史前植物帰化植物や、国内の他地域から新たに侵入した国内外来種など、その経緯によって区分される。生態系の保全で問題となっているものは、侵略的外来種と呼ばれる環境や在来の生物に大きな影響を与える生物である。外来種の中でも特に侵略性が高いと判断された生物は、特定外来生物として指定され、外来生物法によってその育成や移動に制限が掛けられている。日本の森林において外来種の問題は比較的少なく、特定外来生物に指定されている樹木はない。しかし侵略性が高いと考えられ、その対策が行われている樹木もある。冷温帯の森林で問題となっている外来種としてハリエンジュ(ニセアカシア)があげられる。ハリエンジュは北米原産のマメ科の樹木で、日本には明治時代に導入され、緑化樹木や蜜源植物として利用されたことから冷温帯に広く野生化している。特に渓畔や海岸という特殊な環境でも旺盛に増殖し、植生に大きな影響を与えていることが侵略的として問題視されている。また。南西諸島ではトクサバモクマオウや、小笠原諸島における沖縄から持ち込んだアカギなども侵略的外来種として問題視されている。
参考文献 日本緑化センター(2014):最新・樹木医の手引き改訂4版,財団法人 日本緑化センター,P.168