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日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest


保全活動とその心構え

そもそも保全するってどういうこと?

 海岸林は昔の人が植林をして作り出した人工の林であることが大半です。これは海岸林が樹木による防災機能を求めて作られたものであるという歴史があるためです。

 しかし海岸は、飛砂や強風などが起こりやすく、植物が健全な成長をするためにはあまり適した環境ではありません。よってそのような場所でも育つように、昔の人達の知恵や工夫によって海岸林は造営され現在まで残っています。

 このように海岸林は人工的に作られたものであるため、保全・管理をせずに放置していては、海岸林がもつ様々な機能を十分に発揮することはできません。また海岸林は現在、松くい虫による被害やニセアカシアなどの雑木の侵入など多様な課題を抱えています。このような課題に対処するためにも保全・管理を行うことが重要になるのです。

保全についての心構え

 では保全とはいったいどのようなことを行うのがよいのでしょうか。ひとつは海岸林を育てるということです。海岸林は防災機能を主に期待され造営されたものがほとんどです。しかし植林したばかりの時期というのは、十分に保全機能を発揮することはできません。場合によっては、飛砂で埋もれてしまったり、枯れてしまったりすることも十分ありえます。そのため、植えてからしばらくの間は樹木を環境から守りながら育てることが必要になります。また樹木が成長し保全機能が発揮できるようになってからは、間伐や枝打ちなどを行いながら環境を整備することが必要になります。

 また、樹木の一本一本の間隔(立木密度)や枝葉の繁り具合(枝葉密度)によって防備機能の効果が変わってくることも海岸林を保全するのに考慮することが必要です。このように成長のつどに合わせ、海岸林を保全する方法を変えることで、海岸林は健全に育つことができるのです。

 もうひとつは、地域に沿った海岸林をみんなで保全するということです。海岸林は一見一様に見えますが、普通林と保安林と区別をはじめとする境界線によって、管理される団体・機関・法律が異なります。そのため海岸林の保全を行うためには、単体の力だけでは難しいという点があります。行政機関や森林所有者、地域住民・ボランティアなど海岸林に関係する団体が連携しながら保全に取り組むことで海岸林を良好に保つことができるのです。