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日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest


海岸林の現状と課題

海岸林の土地開発による影響

 昔から、柵を作ったり、木を植えたりして、風によって浜辺の砂が運ばれる飛砂害や海の塩が風によって運ばれる塩害と戦っていました。しかし近年では、第2次世界大戦でもっともひどく荒れてしまいました。長い戦争だったため、海岸林の管理ができなかったのが原因と考えられます。

 そこで、1953年「海岸砂地地帯農業振興臨時措置法」ができ、食糧を増やすために使われていない風で浜辺の砂が積もってできた砂丘地を耕地にするなどの開発がおこなわれました。耕地を守るということから、まず荒れた海岸林の再生からおこなわれ、現在、砂丘地に存在している海岸林はこの時期に植えられたものです。

 しかし、土地開発により影響がでてきました。1つは、防風のために植えられた林や砂丘地の形の変化で強風が吹くようになり、それによる飛砂害や塩害の増加です。防風林は、樹木の葉や枝・幹によって風速を弱め、かつ、風を弱めるために林は内陸に向けてある程度の奥行きが必要です。しかし、土地開発により防風林の一部の面積を伐採して耕地にしたり、工場を建てたりすることで、防風の機能が弱まってしまいます。また、砂丘地の開発により表面の凹凸がなくなってしまうと、風の抵抗が減少してしまいます。風が集中しやすい地形だとそこに強風が発生し、飛砂害や塩害が拡大してしまうのです。

 2つめは、海岸林の伐採に伴う動植物への影響が考えられます。海岸性の特有な生態系が成り立っているので、海岸林の樹木が減少してしまうと動植物が住みづらくなってしまうため、十分に検討が必要です。

 3つめは、海岸沿いの施設や工場設置などの開発は広大な平地を造ることになるので、津波の被害が拡大してしまう場合があります。なので、防潮機能は十分に検討しなければならないのです。