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日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest


海岸林の現状と課題

海岸林の植生遷移問題

 海岸林は、海岸沿いに住む人々の手によって管理され造られてきました。しかし現在は、高齢化や都会に出稼ぎに出てしまうなどの原因で管理する人が少なくなっていて、雑草・雑木が生え、徐々に海岸林の植生が遷移してきています。雑木などが増えると、「松枯れ」の原因になってしまいます。

 植生の遷移とは、まず、火山溶岩上でも時間が経てば地衣類やコケ類が生えていき、次第に草木、低木林、陽樹の高木林と植物群落が変化していきます。そして最終的に、全て陰樹の高木林となってしまう極相林と呼ばれる状態に遷移することです。陽樹とは、太陽の光を多く必要として光合成をおこなう植物で、陰樹は、陽樹より太陽光が少なくても成長できる植物です。この極相林にさせないよう人の手で、途中で遷移を止めている状態を2次林と呼び、そのままの状態のことを自然林と呼びます。

 そこで、多くの海岸林は、クロマツを植栽している2次林なので、現在の管理されなくなった海岸林にはマツ林内に雑林の広葉樹などが生えてきてしまいます。広葉樹は落葉・落枝などで土壌の栄養を豊かにしてしまい、広葉樹がより成長しやすい土壌になり広葉樹が増加してしまいます。広葉樹が増加すると、マツへの太陽光の当たる面積が低下していき、マツが衰弱してしまうので枯れてしまいます。これが「松枯れ」です。「松枯れ」後の海岸林は、広葉樹が生い茂る藪のような状態となってしまい、海岸林の本来の機能の効果が常に期待されているので、これを維持・管理していくのは重要でとても難しいとされています。