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日本海岸林学会

Japanese Society of Coastal Forest


海岸林の現状と課題

松くい虫被害の問題

 毎年夏から秋の時期になると、海岸林のクロマツや山や家のそばのマツが緑から赤茶色に変色して枯れていることがあります。この原因にあげられるのは、樹木の病気や害虫被害・水分不足など色々なものがありますが、特にマツの海岸林で周辺のマツが枯れてしまう原因は「松くい虫」です。

 昔は、海岸林の生物の項目で紹介した、マツの枝や樹皮の内側を食べて成長するマツノマダラカミキリなどの昆虫が原因だと考えられてきました。しかし、実際にマツを枯らしている原因は、マツノマダラカミキリに寄生している共生関係のマツノザイセンチュウです。春から夏ごろに卵から羽化したマツノマダラカミキリは色々なマツに移って食事をします。そのときに、マツノザイセンチュウは成虫が食べた後の樹皮の傷からマツの中に入って栄養を吸い取って成長するため、周辺のマツが枯れてしまうのです。

 そして枯れたマツは、マツノマダラカミキリの良い産卵場所となります。卵から羽化するとき、再びマツノザイセンチュウが寄生し、この流れが続いていきます。この伝染する病気のことを、「松くい虫」と昔から呼び、正式には「マツ材線虫病」と呼ばれています。