海岸林は、津波の流れや波に乗って流されてきた漂流物をせき止めるはたらきがあります。しかし、完全に流れを止めるわけではなく、波の力を弱めるだけで津波の被害をすべて抑えきることはできません。
また、強力な津波が発生した際、海岸林の樹林は根ごと倒され流木化して内陸に流れてくれば、より被害が拡大するおそれがあります。現に、東日本大震災で、陸前高田市の海岸林のマツ林が唯一1本だけ残りました。
しかし、海岸林はそれでも、流木になるような大きな津波がきても、大きな津波になる前まではなぎ倒されずに津波の威力を弱めて、内陸の被害を軽減し、人々の避難時間を稼いだと考えられます。